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日本画 小川千甕
日本画家・小川千甕は1882年に生まれた明治から昭和時代を駆け抜けた日本画家です。画家を志し、仏画師北村敬重の弟子になっていますが、その後、洋画家の重鎮である浅井忠にも学んでいます。最初は洋画家を目指し、二科展にも入選しているほどの腕前です。その後、挿絵画家としいて活躍し、油彩に没頭していった小川千甕はフランスに渡って絵画の修行も行う程のめり込んでいきます。しかし、帰国後、油絵から日本画に作風を一転してしまいます。戦後には個展を中心に作品っを発表強い続ける生活を続けます。しかし、その行動が功を奏し院展では「田面の雪」「青田」など、数多くの作品を出品することになります。さらには日本南画院に作品を発表します。小川千甕は転身後、芭蕉や蕪村、良寛などの俳人の句に傾倒していきます。そして、仏典であったり漢文、国文などに元々造詣が深かったことも幸いし、自らの腕でも和歌や俳句、随筆を数多く残しているのです。そんな小川千甕の描いてきた作品は至ところで見受けられます。日本書紀の「燃土燃水献上」をモチーフにしたのでは無いか、と言われる作品。4人の男が皿に受けた炎を運んでいる作品のひとつなのですが、その配置のバランスや知的な表情やなどが、小川千甕の教養の高さを物語る、魅力的な挿絵です。そして、油彩を描いて頃の作品は油彩独特のタッチで描かれた色彩豊かなフォービスム的な作品です。写実性を求めた方向性とは、又違い、絶妙な構図で描かれた郷愁を誘う、そんな作品に仕上がっているのが特徴でもあるのです。日本の野を描く日本画では、掛け軸に描かれるものも多く存在しました。水墨画のように、淡く幻想的な色使いが、油彩から日本画に移るという偉才を思う存分発揮し、柔らかく温和なバランスに落ち着いた彼らしい作品に仕上がっています。日本的な文化や教養を随所に感じさせる小川千甕の作品は、見ているものを不思議と心地良い世界感に誘います。彼の作り出す、世界観は誰にも真似出来ない、美しも甘美なマチエールで唯一無比な存在のまま生み出し続けられていったのです。
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